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授業中というのは、どうしてこうも時間の流れがゆっくりなのだろう。 未空は地理が苦手だった。東西南北も分からない程のレベルだ。 なので尚更、時の流れが遅く感じた。 (まぁ…嫌いじゃないけど) ふと、未空は斜め前に座っている結城を見つめた。 地理の授業は寝ずにノートをとり、真面目に受けているようだった。数学の授業中は言うまでもなく。  そもそも、地理は苦手だが¨嫌いではない¨という理由は結城の得意教科が地理で、よく未空に教えてくれるからである。 それと同時に真面目に教えてくれる結城の顔が好きだからでもある。  言動や行動にはやや問題がある結城だが、茶色の細く長い髪、大きい瞳。 高校生にしては抜群のスタイル、さらには整った顔をしているので黙っていれば美少女なのだ。 黙っていれば。 (教科書を指さしてる細い指とか綺麗で……って、うああ…!なんか変態くさいぞ私!結城のこと変態なんて言えないな~…) 誰に聞かれてるでもないのに未空は恥ずかしくなり赤面した。 (……それに比べて私なんか) 未空は幼児体系であった。黒髪のショートヘアーなんて地味だし、と未空は嘆く。そこがいいんだ!という男子が密かにファンクラブを作っているなんて、当の本人は考えもしない。
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