134人が本棚に入れています
本棚に追加
「終わったぁああァッ!!!」
HRも終わった放課後、クラスには人が数名残っていた。その中の一人である結城は叫び声を上げ、手をバタバタと動かし体全体で喜びを表現した。
「うっせーぞ!上田結城!」
「お、ありさん。めんごめんご」
「っテメ、なめてんのか?」
小川ありさ。少し茶色がかった髪の色をしたおかっぱの少し短気な女の子。言葉使いは男のようで、胸はないが正真正銘女の子である。
結城の謝罪態度が気にくわなかったらしいありさは顔をしかめ、今にも結城に殴りかかろうとしていた。
その時、広美が後ろからありさを羽交い締めにした。
「まーまー、ありさ。そう怒らない!怒らない!今日はこれからうちとデートすんだからさ♪」
広美は黒髪ロングストレートヘアーで長身でさらに巨乳。
モデルのような美貌の持ち主だが、一年留年しているので実際は結城達よりは一歳年上だ。
「、バカかテメ!デートとか言うんじゃねぇよ!!」
なんで?とニコニコと問われたありさは、さっきまでの威勢とはどこへやら。顔を真っ赤にしてしゅんとして答えた。
「なんでって……は…恥ずかしい、だろぉ…」
「うっふふー、かーわいいねぇ、ありさちゃんは。食べちゃいたい☆」
「っ、……だっから…!!もういい、帰るぞ広美」
「はいはいっ」
じゃーね!みんな、と広美が手を振りありさと一緒に教室から消えていった。
「なんつーか…ありさってツンデレだよな」
結城の呟きにクラスにいた全員がうんうん、と頷いた。
最初のコメントを投稿しよう!