1―1

6/9
前へ
/9ページ
次へ
すると、未空がありさ達とすれ違いざまに教室に入ってきた。 「いやぁ、トイレ行くまで迷っちゃってさ。大変だったわ。ごめん結城」 「ううん、別にいいって!…つかいい加減道覚えろし」 「あはは…頑張る。よし、帰るか!じゃあね!みんな」 「「ばいばーい」」 自転車で30分、未空の家へ到着するや否や、結城は未空より先に家へ入っていく。 「あ、鍵閉め忘れてた…!!」 「ただいまー!」 「おかえり…って、あんたの家じゃないでしょ」 結城はお構いなしに、ずかずかと進んでいき、未空の部屋へ入ると、ごろん、と寝転がって大きくため息をついた。 「ふぃー、疲れたぜー」 「ふふ、体力ない~」 「だってもう十六歳だもーん」 「まだ若いだろ!」 「もう、あたしゃぁ若くないよう…」 「あはは!」 「あ、ちょいちょい」 いつものように談笑していると、いきなり結城が未空に正座して座るように促した。 何かと思いながらも素直に従うと、未空のふとももに頭を乗っけた。 「ちょっと…なにしてんの」 「膝枕☆」 「膝枕☆……じゃあないでしょ!どけ!」 「え~~。未空のふともも気持ちいいだもん」 いやいや、と未空の太ももにスリスリ顔を擦る結城。 「ちょ、ばかっ…くすぐった…ぁ」 「未空は全部柔らかいなぁ」 ニヤニヤと厭らしい笑みを浮かべ、そのままの体制で腕を伸ばし服の上から胸を揉みだした。 「ふ、…ぁ…んっ!」 「あれ?顔真っ赤。感じ「、調子のんな!」 「いたッ!?グーで殴るなよ~」 「…だだだって調子乗るからっ」 (くそぅ…声出しちゃった…!!恥ずかしい…。でも不思議と嫌だって訳でもない気がしないでもない) 「でも気持ち良くなかった?」 「、」 そう訊いてきた結城の表情が真面目だったので、ドキリとした。 「ね…?未空…あのさ…、あたし」 にゃぉ~ん! 「っ!?」
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

134人が本棚に入れています
本棚に追加