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気が付けば青年は小娘の身体を抱きしめていた。
自分の体が疼いていたのがよく分かり、まるで何かが吹っ切れて流れるように事は捗っていく。
抱き締める、といっても小娘が息が出来ないほど強く抱き締めてしまい、案の定苦しがっている。
すぐさま青年は我に帰り少しだけ腕の力を抜くと、暖かい息が漏れてきた。
「んふぅ」
その小娘の声がきっかけに身体全体が熱くなり、眠気など無くなったようだ。さらには小娘もそれに応じ、強く抱きしめてきた。
愛嬌はもちろん、ある。ありすぎる。
小動物が餌を強請るみたいな仕草のように。
いや。
それこそ、狐、らしく、か。
「……おまえも大分慣れてきたな、最初なんか意気地なしにしか見えなかったおまえがな……」
そう小娘が言って、小娘の顔が接近してくるのだ。
こうなるともう止められない。
当たり前だ。
そのままある点に突き進んでいく。
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