狐と尻尾の舞踏会

密着

　ここでの理由というものはいつも非合理だ。

　そして、他者に理解してもらうには、何かしら詳しい説明をしなければならない。

　その青年のことだって、何が起こってしまったのかという説明も必要だ。

　もし、この世に神が存在するなら、

運命はやはり実在し、変えられない絶対的なものなのだ。

　だからこそ、いつ何が起こるかなんて分からない。

　分からないからこそ、生きるという不可思議な理由を改めて身体で、「こころ」で感じられるのだ。

　全ての始まりは半年ほど前にさかのぼる。