一章 疲れるの…

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もう一ヶ月以上も奴からのメールはきてない。 こないに超したことはない。 でも、奴からのメールに怯えて暮らすのは気に食わない。 だからもう忘れ去る事にしたのさ。 「ま、きたらまた教え――」 人が話そうとしている時に、鞄の中で何かが振るえ始めた。 「どうした?」 「んー? 携帯鳴ってるっぽい。たぶんメール」 「お、奴からじゃね!?」 「止めてくれ、恐ろしい」 鞄を漁っている私を見て、華南が声を掛けてくる。 声を掛けるのはいいが、恐ろしい事を言うのだけは止めてほしい。 ホントに奴からだったら困る。 「………………ゲッ」 「どうした!? 奴からか!?」 とても楽しそうに言う華南に、私はゆーっくりと携帯の画面を華南へと向ける。 「あらま。それはそれで嫌だわな」 「うん……とても嫌だともさ」 私が思わず「ゲッ」と言ってしまう程嫌な人物。 華南もそれはよく知っている。 だから、私が嫌がってる事もよく知っている。 そのメールの相手は私が恐れていた幼馴染みではなく、その兄だった。
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