プロローグ

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「どんな人?」「歳は?」「身長は?」 友達からの質問責めに合う。 いつもの事だからもう馴れた。 「大学の後輩で二つ下の人。身長は私より少し高いくらい? ちょっとナルシな変な人」 「ナルシって駄目じやない?」 少し話しただけで、新しい彼氏への駄目出しが始まる。 駄目出しするくらいなら、自分で彼氏を作りなさいよ、と思う。 まず、そこでしょ? 「で?」 「で? って?」 「好きなの?」 「別にどうでもいい。断るの面倒臭かったから」 盛大なため息をつかれても……そんなの何時もの事でしょう? 断ってぎくしゃくするの嫌だし、何より断る理由が思い浮かばない。 好きで誰かれ構わず付き合ってるわけじゃない。 「付き合っててもさぁ、未棗って全然彼氏さんと会わないし、惚気言わないよね?」 「会わないのに、どうやって惚気るの? それに好きじゃないんだもん。惚気の言葉が思いつかない」 私の横で小さなため息が聞こえた。 そんなため息つかないでよ……。 本気で呆れられたような気分になるから。
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