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私の隣で小さなため息をついたのは、高校からの友達。
私にとって一番の友達。
相沢 華南<アイザワ カナン>。
それが彼女の名前。
華南だけが、私を本気で心配してくれる。
「一ヶ月もてばいいけどね」
凄く黒い笑顔で酷い事を言われた?
華南だけが、私を本気で心配してくれる……はず?
「もたなかったらその時はその時でしょ。アドも番号も教えてないし、自然消滅もあるんじゃない?」
自然消滅なんて今まで体験した事ないけど、会う約束もしてないし、連絡出来なきゃ有り得るでしょ?
「神戸先輩!」
「ほら、彼氏さんのお迎えだよ」
馬鹿、華南め。
いらない事を言いやがって。
「あれが彼氏? 確かにナルシっぽいけどさ……顔微妙じゃない?」
言われなくても、そう思ってるよ。
友人達に苦笑いで一言告げて、こちらに近寄って来る年下彼氏に向かって歩く。
「なんで会いに来てくれないんですか? 俺、待ってたのに」
「ごめん、ごめん。ちょっと友達と話があって」
何で私が会いに行ってやらなきゃいけないのかが、わからない。
後ろの友達も笑いを堪えてるのが空気でわかる。
あぁ……やっぱり人を好きになる気持ちがわからない。
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