一章 疲れるの…

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「別れるの早かったよね……」 「うん、一ヶ月なかったね」 華南と歩きながら約一ヶ月前に別れたばかりの年下彼氏の話をしていた。 「やっぱりさぁ、あんたにナルシは無理なんだよ。苛々するだけだったでしょ?」 「うん。言動全てが苛々してしかたがなかった。毎日の様に会いに来ては対した話もなく、自分の良さを永遠話すだけだし、三日も会えば飽きるでしょ、あんなの」 「だと思ったよ。君の嫌いそうなタイプだったしね。私も嫌いだ、あんな奴」 私も酷いと思うが、華南もかなり酷いと思う。 殆ど関わりは無かった筈なのに、はっきりと嫌いと言い切るところは凄い。 華南はさりげなくだけど、とんでもなく猛毒を吐く。 しかもそれが大概が無自覚だから質が悪い。 「だろうね。まぁ、もう会う事はないさ。彼、大学辞めたし、相変わらず連絡先教えてないし。自然消滅みたいなものだけどね」 そう。 前のナルシ彼氏は何か問題を起こしたらしく、大学を辞めた。 辞める前に連絡先を教えて欲しいと言いに来たから「私、会えないのとか無理だから、別れよう」と言った。
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