一章 疲れるの…

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「別れたくない」と言われたが、無視して帰ってやった。 だから半分は自然消滅みたいなものなのだ。 「もう、どうでもいいけどね」 「同感。もう彼氏はしばらくいらない。疲れるだけだ」 二人揃って大きなため息をついてしまった。 気が合い過ぎるのも問題だと思う。 華南とは、高校一年生の時からずっと一緒。 初めて会話した時からずっと気が合いそうだなぁとは思っていたけど、仲良くなるにつれて発想が同じ過ぎて笑えた。 今も、高校時代も、華南は一番の相談相手であり、一番仲の良い友達。 失ったら、間違いなく泣ける。 もう号泣して、一生引きこもる。 「いいねぇ、モテ期だよ、モテ期」 「好きでもない人に好かれても嬉しくない」 「何? 好きな人いるの?」 「いるわけないじゃん。だけど普通そうなんじゃない?」 「ま、ね」 こういう所で無駄に食いついて来ないのも華南と一緒にいて楽なところ。 華南は極度の人見知り。 知らない人が相手だと知り合いでも驚く程に猫をかぶって豹変する。 私も人見知りはするけど、豹変する程猫をかぶるなんて到底無理。
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