一章 疲れるの…

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「…………テヘッ」 小首を傾げて可愛く言ってみた。 長い沈黙の中、華南から「こいつ痛い奴だ」とでも言いたげな視線を浴びせられる。 「あれだね。メール以外で『テヘッ』なんて使うもんじゃないね……うん」 「で?どうなんだ?」 華南はまるで何事もなかったかのように、話を続ける。 私を華麗にスルーしないでほしい……。 「どうもこうもねぇ。あれからメール来てないから、どうしようもないのよさ」 「なんだ、つまらん」 そんな言い方しなくてもいいじゃないか。 メール来ないんだ、私にはどうしようもない。 華南の言っているのは、半月くらい前にきたメールの事。 一年以上も前に突然連絡が取れなくなった幼馴染みからきた突然のメールだった。 彼女の束縛で電話帳から女の子のデータは全部消されたらしく、連絡が取れなかったらしいけど、そんな事に興味もなかったし、別に連絡が取れなくて困ってたわけじゃない。 突然のメールだったり、そんな言い訳じみた事を言ってきたりと、正直なところ気持ち悪い。 その、あまりの気持ち悪さに華南に相談したのだ。
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