第1章 正常な日常

4/16
前へ
/92ページ
次へ
     マコトが家についた頃には、茜色だった空も薄暗くなり、外灯もまばらに点灯していた。    家といっても市営のマンション。  りっぱな門構えなど無い。      そこの1階にある共用の水洗い場で靴と顔を洗い、顔から少しにじんでいた血を拭いた。      そして、マンションの2階にある 201 と書かれた玄関をガチャッと開ける。        「ただいま」      「おう、くそ兄貴おかえり」    妹が返事をする。      (…いや、さっきまではクソ付いた兄貴だけど…)      
/92ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加