第1章 正常な日常

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     ここは日本のとある街。  人口約数十万人いる、地方の1都市としてはそこそこ大きい場所。    季節は川沿いの木々は紅葉を落とし終わり、次は雪を落とす時期。  時間帯が夕暮れ時のため、街全体が落ち葉のように赤みを帯びていた。    そんな情景の一角に、この風景に似合わぬ喧騒が起こっていた。      「おいこらマコト、なんで金もってこねーんだよ」    「つーか、なんで学校来るのかなぁ君はぁ~?ん~?」      どこにでもよくある公園のトイレ横、学生服姿の5・6人が、マコトと呼んだ、少しひ弱な1人相手に囲っていた。      「そんな金はないよ… ゆるしぐっ… 」      マコトが言い終わる前に、周りから腰に蹴りが一発入る。      「ねーこと無いだろがぁ。  お前のかぁちゃん、夜の仕事なんだから、稼いでんだろがよ。」    「ほんとに無いんだって、やめてよ」    「いいから言ったとおりに持って来りゃいいんだ~よっと」    腹にコブシが一発    
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