デビュー

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「あのー、この店に何か用事ですか?もしかして面接?言うとくけど、ここのオーナーめちゃめちゃ厳しくて、なかなか受からないよ。君、なんかセールスポイントでもあるの?」   何よ、こいつ!   人の顔見てまるで「その顔じゃ無理」とでも言いたいの?   「悪いけどアタシはそのオーナーに働かないか?って言われ来てるんだけど!」   アタシは得意気に言ってやった。   「あ、大変失礼しました。そうなんだ?へーっ珍しいなぁ、オーナーがスカウトするなんて。」   「どうでもいいけど、早くオーナーに会わせてよ。」   「わかりました。どうぞお入りください。」   そう言うとボーイはオーナーの部屋まで案内してくれた。   コンコン。   「はい。」   あの時の男の声だ。   「オーナーにスカウトされたという方がみえられましたが。」   「入ってもらって。」   アタシがドアを開けて部屋に入ると、昨日の男がいた。   男は椅子から立ち上がって、私をソファーに座らせた。   「やっぱり来ると思ったよ。」   男はニヤリと微笑んだ。  「あんたがあまりにも必死な顔して言うから、来てあげただけだよ。」
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