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美咲さんの家は想像とは違った。
アタシはてっきり、高級マンションでブランド品に囲まれながらセレブそのものの暮らしを想像していた。
タクシー降りた場所は古い団地の前。
階段を登って3階。
「ここよ。どうぞ」
玄関を開けると3歳ぐらいの男の子が出てきた。
「ママ~」
ママって?美咲さんの子供?
「お帰りなさい。」
その後ろから年配の女性が出てきた。
「章太、ただいま。
おばあちゃんの言うこと聞いて、ちゃんとお利口さんにしてた?」
おばあちゃん?美咲さんのお母さんか…
「びっくりしたでしょ?」
「はい、正直想像と違ってました。
No.1のホステスさんはもっと派手な生活してるのかと…それにお子さんがいるんですね。」
「そう私の息子と私の母です。」
美咲さんは話してくれた。
美咲さんは18の時に高校の同級生で当時、付き合ってた彼氏の子を妊娠した。
彼氏は大学進学が決まっていて、これからの人生を台無しにしたくないから堕ろしてくれと言われた。
美咲さんはどうしても中絶することは出来なかった。
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