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言うだけ言って、男は路上に停めてた黒塗りのベンツに乗って去っていった。
あんな車乗ってるぐらいだから儲けてる店なんだろうな。
だけど誰がお水になるか!
今日は仕事見つからなかった…
明日も頑張ろう。
とりあえず、今日泊まるとこ探さないと。
アタシは駅近くのビジネスホテルに泊まることにした。
シャワーを浴び、バスローブのままベッドに入ったが、さっきの男の言葉が気になる。
「君なら1年で女王になれる。」
ベッドから出て鏡に自分の姿を写してみる。
横向いたり後ろ向いたり。
どう見ても平凡な顔だしスタイルだって自信ない。
アタシのどこが女王になれる素質あるっていうの。
あの男うまいこと言って!
そうは言いながらもアタシはまんざらじゃなかった。
お水と言えば母の店しか思い浮かばない。
だからクラブがどんなとこかも想像出来ない。
ただ酔っ払いのスケベオヤジの相手する仕事としか思ってなかったんだ。
椎名との出会いによってアタシの人生が180度変わることになるとはこの時知るよしもなかった。
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