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次の日、朝からアタシは職探しに歩いた。
すぐに採用してもらえそうなとこと言えばコンビニやファミレスの店員。
時給800円。
1日頑張っても5・6千円。
これじゃ、住むとこも汚いボロアパートぐらいしか借りれないよ。
アタシの思い描いてたドラマのような暮らし無理。
ため息つきながら、昨日と同じベンチに座ると、あの男のことを思い出した。
名刺に書かれてる店の住所はここからあまり離れてない繁華街にある。
「どんな店か見るだけ見てみよう。給料も聞いてなかったし。」
アタシはその店に行ってみることにした。
夕方6時の繁華街はまだネオンもまばらで食べ物屋さんだけが明るい。
「club“夜蝶”はどこ?」
ふと真ん前に大きな建物が目についた。
アタシは思わず目を疑った。
この街でひときわ目立ってそびえ立つ真っ白な建物。
まだネオンは消えてるがそれでもこんなに目立っている。
これが“夜蝶”?うちの母の店とは比べものにならない。
ここはどんな店なんだろう?
アタシが店の真前でボーッとしてると、蝶ネクタイにベストを着たボーイらしき男の子が話かけてきた。
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