デビュー

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「ハハハ、相変わらず強気なお嬢さんだ。」   「ひとつ聞いていいですか?あなたはなぜアタシをこの店に誘ったの?さっきのボーイに聞いたけど面接も厳しいらしいし、ましてやスカウトなんて珍しいって言ってましたが…アタシなんて平凡な女だし。」   男はフッと笑いながらアタシに言った。   「動物的勘かな? 君の目を見たら、何かひきつけられるものを感じた。 美人だけでこの世界ではやっていけない。 君の負けん気の強さや僕を睨み付けるような目。 たぶん将来はこの街1番の蝶に変身するよ。 今はまだ青虫だけどな。ハハハ。」   この男、アタシのこと褒めてるのかけなしてるのかいったいどっちだよ!   「ところで君の名前まだ聞いてなかった。」   「エリ…小西絵里」   「じゃあ、今夜から君はエリカでいこう。」   「今夜からって…私ここに勤めるんですか?」   「働きたいからここに来たんだろ? さっきのボーイに色々聞いてもらったらいい。 さぁ頑張って稼いでおいで。」   「ちょ、ちょっと待って下さい。 私衣装も何も持ってません。」   「それなら心配はいらないよ。 衣装ならいくらでもあるから。 杉田君ちょっと来て。」
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