デビュー

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男は内線でさっきのボーイを呼んだ。   「この子、今夜から店に出ることになったエリカだ。 この子に似合いそうなドレスと靴用意してやってくれ。」      「わかりました。それじゃ行きましょう。エリカさん。」     アタシは言われるがままボーイについていった。     衣装部屋にはかなりの量のドレスや靴、アクセサリーが並んでいた。   「この中でサイズに合う好きな衣装選んでください。 言い遅れましたが、僕の名前は杉田一平です。 一応ホステスさんの世話をさせていただいてます。 困ったことがあれば僕に言ってください。」   「さっき見かけた人は誰?」   「あの方は支配人の藤村さんです。 店全般をしきってます。 オーナーはめったにお店には顔出さないので、すべて藤村さんに任せてるんです。」   「そうなんだ。」   アタシは今まで目にしたことのない、きらびやかな衣裳に目移りしながら、真っ赤なドレスを手に取った。   「あ、それは今うちのNo.1の美咲さんが初めてNo.1になった日に着てた衣装です。」   「No.1とかって何?」   「1ヶ月の指名や同伴の数や売上が1番多かった人です。」
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