天然至上主義3

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あたしの頭上の棚がカタカタと揺れて、また本が抜き取られる。てんちゃんが適当に選んだであろう本はパラララ……と、読む訳でもなくページを流した。 「朝子とはお守りとか義務とかそんなんじゃなくて……オレが幼馴染みでいて欲しいからいるんだ。だからオレから終わることはないよ」 パラパラ……パラ…… 残りページも少なく、終わりに差し掛かるとてんちゃんはパタンと大きな音を立てて本を閉じた。 「でも……そうだね。それもそろそろ潮時なのかも、な……」 「……」 てんちゃんのお告げはなによりも恐ろしい凶器なのかもしれない。この関係は永遠だと匂わせて、同じ口で潮時だと言ってのける。 ……潮時……ってどういう…… 天国と地獄の狭間で、あたしはどちらに転ぶのか。 てんちゃんの別離を思わせる口振りに、息を吹き返した原田さんは地獄へ誘う加担をした。 「そ……そうです!それに霧島先輩は……あたしを叩いたんですよ!?」 体を張って手に入れた最後の切り札を、もちろん使わない手はない。
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