天然至上主義3

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「……っ」 ただの幼なじみとは思えない甘すぎる独占欲に、頭がクラクラとした。 それは……なんの為の約束なの?この先の未来を、あたしも少しは信じていいの……? まだ肌寒い春の夕暮れ時。じわじわと陽が傾くにつれ、薄い影が図書室を侵食していく。 あたしがなにも言えないでいると、てんちゃんはカーディガンのボタンを外して腕を抜いた。そして片膝と手を床につき、あたしの方へと向き直す。 更に縮まった距離。てんちゃんの視線を全身で感じるも、対面する余裕のなくなってしまったあたしはまた本棚へと顔を背ける。すると次の瞬間、紺色のカーディガンがふわりと頭から掛けられた。 「オレも……朝子以外にてんちゃんって呼ばせないから」 「!!」 ……どうして……どうしてそこまで…… そう聞くことが野暮だって、鈍感な頭でも流石に分かる。理屈じゃないんだってことも…… 他の人に朝子と呼ばれなくたって、あたしは全然構わない。たった一人、てんちゃんさえ呼び続けてくれれば……
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