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……え……?
ふわふわの毛先が頬をかすめて、くすぐったい。右肩どころか右半身にずしりと人の重みを感じた時、てんちゃんとの距離がなくなったことを理解する。
「……っ」
てんちゃんはいつの間にか自分の左腕とあたしの右腕をぴたりと付け、さも当然かのようにあたしの右肩に頭を置いてもたれかかっていた。勇気を出して首を少し回してみれば、てんちゃんは枕の気持ちなんてお構いなしに目を閉じリラックスモード。
え……な、なに!?どうなってるのっ!?
冷静に状況を客観視する頭とは裏腹に心はパニックになる。
「……てんちゃんっ!?」
一人で焦るあたしに全く動じないてんちゃんは、寝心地のいい場所を探すように乗せた頭で肩先をスリスリと撫でた。
ひゃあ……っ!?
「て……てんちゃんっ!どうしたの……!?」
あんなにも躊躇していたのに気が動転したことで普通にてんちゃんと呼べていて、それまで反応の薄かったてんちゃん穏やかな笑みを浮かべていた。
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