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カーディガンの比ではない本物の温もり。てんちゃんは立てた膝を手で抱き寄せて、更に体重をかけてくると独り言のように呟いた。
「やっぱり……ここが一番落ち着くな……」
あたしはこの時、初めて知った。
人を好きになって胸が鳴りすぎると、ズキズキ痛くなるんだって……
ねえ、てんちゃん。それはどういう意味なの?
図書室だから?静かな夕暮れだから?あたしの……隣だから?
本当にこのまま寝てしまいそうなてんちゃんに、あたしはどこまで自惚れていいのか……
ドキドキ、ズキズキ。この音が聞こえたらどうしようって思うのに、衝動が抑えられない。あたしは肩にもたれかかるてんちゃんの頭に、そっと自分の頭を重ねた。
「……てんちゃん……」
「……なに?朝子」
「なんでも……ないんだけど……」
「けど……?」
「……ちょっと……呼びたくなって……」
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