プロローグ

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魔術……それは、生きている者なら皆同様にその体に宿している力、『生命力(生きていく上で無意識の内に使われる力のことで、日常生活を送る際には、必要最低限度の力が使われていることとなる)』を『魔力(魔術の力を左右する力のこと。生命力の一部でもある)』に変換し、その力を利用して、様々なことを引き起こすことである。 そんな魔術を扱うのが魔術師と呼ばれる人達であるが、魔術師には二パターン存在する。 一方が、自らの力のみで魔力を練り、魔術を発動することが出来る自然魔術師。 もう一方が、人工魔力が込められた科学器具(とりわけ携帯電話やオーディオプレイヤー等)を利用して魔術を発動させる、科学魔術師である。 魔術は今や、子供から老人にまで、様々な人に知れ渡り、使われるようになった。 その規模は、恐らく全世界で使わない国がないのではないかと言われる程にまで広まっていた。 また、某国では魔術を利用した戦争なども行われていおり……決して魔術は人々の生活を豊かにするものだけということではないらしい。 その力を持つということは……相手に対して敵対する可能性も持ちうるということに繋がることも、忘れないで頂きたい。先ほども述べた通り、この世界は子供から大人まで様々な世代の魔術師達が存在する。 世界各国でも、魔術を授業に取り入れる学校も存在するくらいだ、若い世代における魔術の使用は、携帯電話が普及するよりも素早く広まったことを物語っていると言えるだろう。 日本でも、魔術を授業科目に取り入れた学校が数多く存在する。 そんな学校の中に……雷山塚学園という学園もまた、存在するのだ。 雷山塚学園は、中等部と高等部に分かれていて、中等部は平等にクラス分けがなされているが、高等部は始業式と各学期の期末試験毎にクラス分け試験が実施されるというのが特徴的だ。 このシステムは、他のどの学校も実用していない、この学園独自のシステムとも言えるだろう。 クラスは中等部4クラスに高等部8クラス。 各クラス訳30人編成であり、全校生徒数は中等部・高等部合わせて約1100人程度。 高等部のクラス編成に関して言えば、上から順番に、S・A・B・C・D・E・F・Gという順番だ。 成績だけでなく、魔術の使い方も反映されるので、その部分に関しては注意が必要だ。 そんな学園に……三矢谷瞬一もまた、通っていた。
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