某国王女の来日

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とりあえず、黒服達はどうにかした。 けど、あいつらは一体何者だったんだ? それに、目的は……。 考えるだけ無駄だろう。 どうせもうこの女子とは関わることはないのだろうから。 「大丈夫か?」 俺は壁に背中を当てて座り込んでいる女子にそっと手を差し伸べる。 オドオドしながらも、金髪の女子はその手を取った。 ……結構、美人だな。 背は、俺と同じくらいか。 スタイルは……結構いいな。 ……俺は親父かってんだ。 「……失礼なこと聞くけど、日本語、話せるか?」 「……はい。大丈夫です」 「うぉっと、流暢な日本語」 「何年か前に日本語を習ったんです」 なるほど。 納得いった。 「お前、こんな所で何やってたんだ?」 「……ちょっと、追われてたもので……多分もう大丈夫です」 その割には、恐怖に染まりきった顔してんな。 「お前一人なのか?」 「いえ、ついさっきまではシュライナーが一緒にいたんですけど……はぐれてしまって」 「なるほど……どこにいるのか知ってるのか?」 「多分、この街にいるかと」 よし。 俺が取るべき行動は一つだな。 「俺が一緒に探してやろうか?」 「え?い、いいですよ。そこまで迷惑かけるわけにもいかないです」 「遠慮すんなって。俺はこの街にい五年間いるんだぞ?地理に詳しい人間が一緒にいた方が安全だろ?」 「で、ですが……」 まだ遠慮してるな。 ……えっと、名前は……。 「ところで、お前、名前は?」 「あ、アイミーン・グレイブスタンです」 「アイミーンか……アイミーって呼んでもいいか?」 「あ、はい」 首を縦に頷かせる、アイミーン改めアイミー。 っと、相手の名前を聞いたんだから、俺の名前も言わないとな。 「俺の名前は三矢谷瞬一。よろしくな」 「シュンイチ、ですか……よろしくお願いします」 わざわざ深くお辞儀される。 そ、そこまでの身分じゃねえぞ、俺。 「んじゃ、とりあえず路地裏を出るとするか」 「そうですね……」 とりあえず俺達は、街中に入るために、路地裏を出た。 * 「んで、どうしてアイミーはどうしてこの街に来たんだ?」 落ち着いた所で、とりあえず俺はこんな質問をしてみた。 するとアイミーは、 「実は、雷山塚高等学校という場所に用がありまして……」 「え?うちに?」 「……まさか、その学校に通っているのですか?」 「ああ。高校二年生だ」
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