某国王女の来日

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俺は、とりあえずAから順番に見てみることにした。 え? Sがあるじゃないかって? ……ご冗談を。 いくらSに入りたいって言ったとしても、そう簡単に入れるのなら苦労しないって。 「おお、お前今度はCだな」 「な、何!?一クラス落ちただと!?」 晴信から告げられた衝撃的真実。 「ちなみに、俺はAに上がったぜ」 「は、晴信よりも下のクラス……本当かよそれは!?」 慌てて俺の名前を探す。 そして、Cのクラスの中に書かれていた名前は……。 『ミヤッタニーシュンー』 「……」 俺は無言で、晴信のことを殴った。 「いった!いきなり殴るなよ!!」 「うるせえよ!何がミヤッタニーだよ!!何処の外人だよ!!!ついでに、似たようなネタどっかで聞き覚えあんだけど!!??」 ミヤッタニーには悪いが、本当にこれ、どっかの漫画のパクりネタだよな? しかも面白くないし。 「テメェはとっとと自分のクラスにでも行ってろ!」 「だが断る!!」 「何故に!?」 何か本当に疲れる日だ……。 もう一度、上から見てみるか。 A……なし。 B……なし。 C……なし。 D……なし。 E……なし。 F……なし。 G……なし。 「あれ……俺の名前が、ない?」 「……学校にいなくてもいいって暗示じゃないの?」 「そんなこと言うな!!」 で、でも。 この状況はマズイ。 名前が何処にもない。 ……まさか本当に、戦力外通告を受けたというのか!? 「……ん?」 そこでふと、Sの名簿一覧が視界に入る。 ……いやあ、それはないって。 ありえないって。 まさかね~? 「……あった」 「え?」 「俺の名前が……Sクラスに、入ってた」 瞬間。 俺と晴信の体は、固まった。
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