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いや、口をポカンと開けているのは僕だけではない、おそらくこの教室にいる全員がそうだ。
説明しよう。
それは、なんら代わり映えのない、いつも通りの授業風景だった。
数学の顧問が、黒板に問題をしたため、それを一心不乱にノートへと書きうつす生徒達。
僕はと言うと、ノートを閉じ、早く授業が終わらないかなぁ、とか、今日の夕飯なんだろなぁ、とか、どうでも良い事を考えをながら、ぼけっと黒板を見つめていた。
…がしかし、
一体どうした事か、先生と目があった。
先生は、口元をニヤリを動かすと、僕に向かって声をかけた。
「未崩始芽!この問題を解い――…
正に、その時。
ズガガァと、なんとも耳障りな音が響いたのだ。教室中が、音の方向へと目線を向けた。もちろん、僕も例外ではない。
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