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目線の先には、来壊彩夏が立っていた。おそらく、さっきの音は、彼女が勢いよく立った時に発生した、イスの音だろう。
皆、イスに座っている中、一人だけ起立する、来壊の姿は、一言で言うと“浮いていた”
いや違う、浮いてるのだ。
来壊彩夏その人は、文字通り…浮いているのだ。
あれは、大人のコブシ一つ分ぐらいの距離はあるだろうか。
来壊は、かも当たり前の様に、音をたてずフワフワと身体を動かしている。
いや、この場合、音もたてていないのに“フワフワ”と言う擬音語を使うのは可笑しいだろうって、そんな悠長な事を考えている場合ではない。
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