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戦いに関しての実力は紫の方が遥かに上だが、ただ殺すだけではつまらない。何か面白い事は無いだろうか……。
「紫様、昼食の準備が出来ましたよ」
「あら、もうそんな時間?」
紫の式、八雲藍が話し掛ける。
もう太陽は1番高い所に昇っており、吸血鬼の弱点である日光をさんさんと降らせていた。
「しかし紫様がご自分で起きられるなんて珍しいですね。何か面白い事でもありましたか?」
「ちょっと、ね」
そうだ、と紫の中で何かが閃いた。
「藍、ちょっと里で話題になってる人食い妖怪を連れて来てちょうだい」
「里で話題に、って夜に闇夜に紛れて人を次々と襲ってるっていうあの妖怪ですか?」
「そうよ。よろしく頼んだわね~」
紫は手をひらひらと振って笑いかける。藍は少し面倒臭そうな顔をしていたが、大切なご主人の命令なら、と噂の人食い妖怪を探しに行った。
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