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「おじゃましまーす」
小声で誰に言うわけでもなく呟く、風に押されて扉が勢いよく閉まった。
バタンッ!!と家に響いたであろう音、だけど家の中は静まり返っていて、違和感を感じる。
「……」
僕は靴を脱いで廊下を歩いてすぐのリビングに向かうことにした、唯一明かりがついていたのがそこだったから。
足音をたてない様にソロリソロリと歩みを進めた、そして再び違和感。
異臭、鉄の匂いとも何とも言えない異臭が僕の鼻をついた。
リビングを覗き込んだら目に飛びこんできた、鮮明な朱。
見知った愛里ちゃんの両親がボロ雑巾の様な姿で、綺麗な紅をまとって転がっていた。
「……あいり、ちゃん」
頭の中で嫌な映像が流れる。
愛里ちゃんは、生きてるの?
僕は携帯で警察に連絡した、もしかしたら子供のイタズラだと思われたかも知れないけど。
その後、愛里ちゃん達の子供部屋に足を向けた。
開けっ放しの扉の向こうに何かがあっる、部屋が暗くて良く見えない。
いや、見たくないだけかもしれないな。
「探したよ、愛里ちゃん」
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