3人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
「ほら、出ておいで」
ベッドの下にいる海里ちゃんに手を伸ばして、手を取って引きずり出す。
きっと愛里ちゃんは海里ちゃんを守るためにこうなったんだろうな。
愛里ちゃんは海里ちゃんのこと大好きだったから。
「ケガは?無い?」
海里ちゃんは光のない瞳を僕に向けてから、うなだれる様にコクンと頷いた。
愛里ちゃんが海里ちゃんを守ろうとしたなら、その使命を受け継げるのは僕しかいない。
守らなきゃ、愛里ちゃんが遺した海里ちゃんを。
「そうか、良かった」
「愛里おねぇちゃんは……?」
来ると分かっていた質問なのに、いざ聞かれると耳が痛くなる。
海里ちゃんに真実を教えたくない、まだ彼女は真実を受け止められない。
「いやぁぁぁっ!!」
無意識下に愛里ちゃんを見ていたのか、僕の視線の先は愛里ちゃん、それを辿って海里ちゃんは愛里ちゃんにたどり着いた。
next→
最初のコメントを投稿しよう!