side:U 最愛の君

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あまりに驚いたのか後ろに飛び退いた海里ちゃんは、血で滑って転んだ。 「おねぇ……ちゃん…」 ペタペタと血がつくのもお構いなしに、四つん這いで愛里ちゃんに近づく海里ちゃん。 「警察にはもう通報したから、今はジッとしてないと」 「……」 愛里ちゃんを見つめた海里ちゃんは、しばらくして静かにスッと立ち上がった。 「どこへ行くんだい?」 「パソコン……」 ペタペタと廊下を歩いていく海里ちゃんの後ろをついていく。 パソコンって……何する気だろう……。 「何するの?」 「ダメだったんだ……きっと」 「……?」 「指切り」 ポツリ、ポツリと言葉を零していく海里ちゃんは、パソコンの置いてある部屋の椅子に座ってパソコンの電源をつけた。 起動音とウィーンという機械独特の音が、静かな部屋に響いた。 next→
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