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「どうしたの?」
「…………ぅ」
僕に強く抱きついた海里ちゃんはボロボロと泣き出してしまった。
出来れば離してほしいんだけどな……お気に入りの洋服が海里ちゃんの涙やら鼻水やらの汁で汚れていく。
それでも僕は海里ちゃんの頭を撫でた、家族を失ったのだから、きっと悲しい。
僕は家族がいるけど、仲が良くないから居なくなっても構わないって思ってるけど。
海里ちゃんの家族は違う、羨ましいくらいに仲が良かった、だから失った時の代償は大きい。
僕の想像してる以上に。
「泣かないで海里ちゃん、小指集めるの僕も協力するから」
「ほんと?」
「ほんと」
それから警察が来て僕たちは署に連れて行かれた、色々聞かれた「何故あの家にいた」とか「犯人を見たか」とか。
僕は正直に話した、そりゃそうだ、僕は犯人じゃないし、下手に嘘をついても面倒なことになるだけだ。
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