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まさか小指集めが本当に約束を守らせたのか?
約束を守るためにに帰ってきたのか?
「どうしたの?」
様子を見にきた海里が、愛里を見た瞬間固まった、そして目を丸くする。
「海里、ただいま」
「……おぇ……ちゃ」
しまいには海里は泣き出して愛里に抱きついた。
僕も抱きつきたかった、でもこの子が本当に愛里なのかが分からなくて、身体と脳みそが別々になってるみたいだ。
抱きつきたい身体と愛里を疑う脳みそ。
「どうしたの植原くん?」
「え?あ……」
愛里を凝視して考え込んでいた僕に海里が声をかけた。
「なんだ、植原くんだったのか、気づかなかった」
「愛里……」
「変わったね」
そりゃ九年だ、変わりもするさ。
「あがってもいいかな?」
「うん!!当たり前じゃんお姉ちゃんの家なんだからさ」
「帰ってきたんだよね、私」
「そうだよ、お帰りなさい」
「……ただいま」
満面の笑みの愛里とそれに負けないくらい眩しい笑みを見せる海里。
僕は今まで二人がまた笑えるようにって、そう思って小指集めをしてきたけれど。
これが僕が望んでいたことだったのか?
本当にこれが……?
、
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