side:A 序章

8/12
前へ
/29ページ
次へ
「立派な大人になってほしい反面、子どものまま甘えて側にいてほしいって思うの」 「ふーん」 私には良く分からないのだけれど、母はそれを両方叶えているのではないのかと思った。 大人びて立派と言われている私と、まだまだ子どもと言われている海里。 「ほら、髪の毛流しなさい」 「うん」 洗い終わったのか私にシャワーを渡して自分の髪を洗いはじめた。 頭を洗い流して体を洗いはじめる、ゴシゴシ強く洗う。 今日のお昼は友達のあおいと遊んだから、良く洗わないと。 あおいとは公園で出会った友達で、いつも公園に行くといる。 他の子はあおいが公園に住んでいて汚い、と言うが私は気にしない。 私とあおいは友達だから。 「出たら体タオルで拭いとくのよ」 「うん」 お風呂から出て、バスタオルで体を包む、タオルがフワフワで気持ちいい。 体を拭いたあとに、髪の毛をワシャワシャと拭いていく。 「体拭いたならちゃんと服着なさいよ」 「わかってるよ」 母がお風呂場から出てきて、バスタオルを手に取った。 next→
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加