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後は爆発して、溜めに溜めた中身を放出するのみが、この一粒の運命や作用、仕事だと言える。
この一粒は、いつできたのか?
いつなのかわからない。ただ言えることは、もうここには時間がないのだ。この一粒が炸裂したときに始まることになっている。
きらり
あるとき、一粒が、内蔵エネルギーを押さえ切れず炸裂した。その炸裂は、きっと凄い轟音だったろうし、眩さも太陽の比ではなかっただろう。
この超大規模な炸裂により、目にする宇宙が誕生し、同時に時間も開始された。これを宇宙暦元年と名付けよう。
一粒だったものの中身は、恐ろしい早さで四方八方に散らばり、集散烏合を繰り返してゆく…。
気の遠くなるような長い時間が流れ、そして現代。
現代は、宇宙暦に例えると150億年程度だと言われている。この間には人間のみならず、物質で構成された全てのものの相互作用があり、そこには、それら相互作用による様々な物語があったことだろう。その一つひとつは、宇宙中でただ一つしかない奇跡であったはずだ。
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