新星

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   前代国王は、突然死を遂げたため、正式な王位継承者の遺言を残すことができなかった。そのため、自分が王位を継ぐと当然考えている第一子の皇子やこの皇子を支える各大臣などにその気はなくとも、次位の皇子達は王位に多少意識がありこそすれ、表立って行動をとらないでいたところに、出世を虎視眈々と狙う周りの取り巻きにすっかり担ぎ上げられ、果ては自らの王位を各々主張するようになり、互いに譲らずもめるようになっていった。  皇子らの争いは度重なり度を越え、とうとう領土を分ける戦争に発展してしまった。規模の大小に関係なく幾度となく紛争は繰り返され、五年後にやっと収束を見た。  皇子らは、一つであった大地を分かち合い、自らが王であると各々唱えた。第一皇子は、前代の後を引き継いで古からの都がある南方の領土を治め、第2皇子は、北方地域を領土とし、その中の一番大きな街を都とした。そして第三皇子は、第ニ皇子の西隣、つまりこの大陸の北西に位置する地域を領土とした。  
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