序章 お馬鹿な神様

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あの日も、何事も無く終わっていくのだろうなと、帰りのショートホームルームの最中に、窓側の一番後ろというベストポジションで、業平は少しオレンジかかった空を見上げながら思った。 そしてそんな風に考えていた男がもう一人いた。 教壇のすぐ前の、通称『唾飛び席』で、頬杖をつきながらダルそうにしている兼好…彼もまた詰まらぬ日常に飽き飽きしていたのだ。 そんな二人をよそに、ホームルームは着々と進み、先生は着々と唾を飛ばした。 「あぁ、そうだ。今日は席替えをするんだったな」 (えぇ!?、席替えはもうしなくていいよ!!) そう思ったのは業平。 (よしっ!!よしっ!!待ってました!!) そう思ったのは兼好。 しかし、業平も嫌々ながらもこんな日常から少しずれた出来事を好ましく思っている。 (まっ、今日の日記は『いつも通り楽しかった』以外で書けそうだからいいや) .
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