第一章 音楽室の女神様

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(はぁはぁ…神よ…どうか私を救いたまへ) 音楽室のちょっとした楽器をしまってある準備室に、息切れしながら兼好は神に祈った。 (あれ?どこいった?あ、なんか準備室の扉ちょっとあいてるぞ…) (神よ…もうチャットでなりきりしてる奴等を荒らしたりしません。ネットでの違法ダウンロードも控えます。だからどうか…) ガラッと準備室が開き、大太鼓の影に隠れていた兼好に光がさす。 「あ、いた」 「神は我を見捨てたかぁ~!!」 つい兼好は口にだしてしまった。 それを聞いた業平は、なんだいきなりと、状況把握ができていない。 「お前かくれんぼが趣味なわけ?」 「馬鹿野郎!!俺の趣味はちゃんと同人誌集めという健全としたものだ!!」 いや、健全じゃねぇだろ!!っという突っ込みはおいといて、業平はとりあえず鞄を返してもらうことにした。 「あのさ、いいかげん…」 「来るなぁ~!!」 バキッと嫌な音がした。 ピタリと止まった二人は、おそるおそる兼好が握って振り回していたものを見る。 「え!?おい、お前それギター…」 兼好のもつギターは弦の張ってある部分がボキリと折れていた。 「うわぁ!!しまったぁ!!」 この事件が後々の二人を大きく左右する出来事になる。 .
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