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「聞いてくれ翔太郎!!照井竜!!亜樹ちゃん!!」
「んだよ、フィリップ」
「どしたの、フィリップくん」
フィリップは目をキラキラと輝かせ、ドタバタとガレージから出て来る。
その恰好はいつもと違った。
「ゲッ!!何だそりゃ!?」
「着物…いや、浴衣か?」
照井は冷静に評価した。
さすが警視殿。
フィリップはフフン、と得意げに鼻で笑った。
「知らないのかい?今日は『夏祭り』というものが、
風都神社であるらしいじゃないか!!」
亜樹子はポンッと手を叩く。
「あー、そっか!!
夏祭りに行きたいんだねフィリップくん」
「その通りさ亜樹ちゃん!!
さぁ翔太郎、連れてってくれ!!」
「ダメだダメだ!!
組織に狙われてんだから」
「そんな…」
あからさまにフィリップは
しょんぼりした。
可哀相だが仕方ない。
すると、照井がポツリと呟いた。
「…連れてってやってもいい」
「えっ…本当かい照井竜!!」
「俺も少し、懐かしくなったかだけだ。昔よく妹を連れてったからな」
そういえば…照井の家族って
殺されたんだったな…
しかしそんなのお構いなしに
フィリップは照井の腕を取り、
引っ張って催促する。
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