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「え~、以上をもちまして第一学期終業式を終了します」
蒸し暑い夏の初め、期末テストも終わり夏休みを明日と控えるばかりである。
「あ~あ、校長話長いんだよなぁ」
落胆とした友人の声が後方から聞こえてくる。
「……」
「なんか、こうパーッと遊びたい気分じゃねぇか?なぁ、幸太郎」
「……」
「幸太郎?」
「……」
「なんか言えよ」
「あぢぃ~…」
この物語の主人公、高城幸太郎(たかしろこうたろう)の最初の言葉はどうも気の抜けたものだった。
「それはまあ…同意するが…」
「ホント暑ぃ~……地球温暖化は確実に進行中だぁ~…」
教室に帰る途中、しゃがみ込んでしまう幸太郎に友人の士高雪兎(したかゆきと)はそれと同時に足を止めた。
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