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今日は平日というのもあり姫意外に客がいない。
「…でね、聞いてんの?」
「聞いてる聞いてるっていうか、誰も来ないな…」
「誰か来たら帰ろうと思ってんのになぁ…」
酔っ払ってカラカラと笑う姫。
笑い事じゃねぇ!
一瞬ヒャッとした空気が店内に流れ込んだので、ドアの方に視線を向けるとそこには数日前に出会った人物の姿があった。
「…あの、まだやってますか?」
こういう店は初めてなのか、申し訳なさそうに完全には中に入らず訊ねる姿が初々しい。
「よっし!これで私帰れるね、バトンタッチだぁ…」
凄い勢いで私物を鞄に詰め込み、今日の代金をカウンターに置き『またね!』と言い残し帰ってしまった。
この誰もいない状況で2人とか…辛いでしょ。
今日で2回目だし。
これで臣でもいりゃ何とかなるんだけど。
「大丈夫ですよ…まだやってますから。」
「あぁ良かった…って今居た女性ボクが帰してしまったのかも…。」
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