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「全然(フルフル)!!」
「ズコッッッ!!」
盛大にすべる縁は涙を目に溢れんばかりに溜めてその場に膝を付いてしまった。
「…もしかして、蓮田君?」
その縁に優しく言葉を掛けたのは他でもない我が母だった。
「お、おばさん?僕のこと覚えてくれていましたか?」
「ええ、覚えてるわよ。いつも総ちゃんに泣かされてた泣き虫ちゃんよね?」
「グハッッ!!」
「ああ、思い出した泣き虫エニシか!!」
「うわ~~ん!!」
やっとのことで思い出しソイツにとどめと言わんばかりの言葉を浴びせたら案の定、洪水のように泣き崩れてしまった。
「で、その泣き虫えっちゃんが俺に何の用?」
「グス…ッ…泣き虫は余計です……僕はもう泣き虫ではないのです!!…ヒック…」
「泣いてんじゃん」
今度は隅のほうで膝抱えてのの字を書き始めた。
めんどくさいヤツが来たなぁ。
「わかった、わかった、話聞いてやるからさっさとこっち来い」
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