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[あ…あの…おれ…いや、僕…あの…その…]
ウルトラマンはゼアスに手を差し伸べて立たせてから固く握手した。
[今日1日、私を探してくれていたんだろう?悪かったね。夜まで会ってあげられなくて]
[い、いえ!]
[話はだいたい聞かせてもらっている。]
[え?]
ウルトラマンはゼアスの両肩に力を注入するように、ガッと力強く掴んだ。
[忘れないでくれ。君も私も同じなんだ。多少みてくれは違うが、そんなことは小さなことさ。今、シーボーズと君が私を呼んでくれた。君にも、君を必要としてくれている誰かが居るはずだ。違うかい?]
ゼアスは少し考え、地球に居るマイドの仲間達を思い出した。
(勝人!)
(ヘィ、ユー!)
(こら勝人!)
(勝人さん…)
[皆、どこかが誰かより優れていて、同じようにどこかが誰かより劣っている。それが普通だし、それでいいんだ。だからこそ我々は星を越えて支え合うことができる。まぁ、こんな甘い考えではジャスティスとデラシオンに叱られてしまいそうだが。]
と、ウルトラマンのカラータイマーが青から赤へと点滅を始めた。
[おっと、いささか話し過ぎたかな?]
ウルトラマンはシーボーズを手招きし、ヨイショっと背中におんぶした。
[ゼアス、自分をダメだと言ってしまうようなら、誰かと自分を比べていてはいけないよ。やはり、最後の敵は自分自身なんだから。どこかの誰かじゃなく、自分と戦うんだ。いいね?]
[僕は…まだよくわからない…]
[いいかい?信じるんだ。自分を。また心が弱ったら、セブンに喝を入れてもらうといい。彼は多少スパルタ式だが。]
ウルトラマンはふっと笑った
[ギィ~]
[おっと、シーボーズが痺れを切らしたらしい。私はそろそろ行くよ。]
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