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主人公・宮下は公園で古い付き合いの友人cと待合わせをしていた。
本来は一時に集合という訳だが友人cは二十分程遅れてきた。
友人cがどうしてもと言うので無理矢理予定を入れたので、宮下は「バイトをキャンセルしてまで来たのに💢」と言ってやりたくなったがそれでは本当に時間の無駄なので率直に要件を聞くことにした。
「で?今日は?」
友人cは少しボーっとしていたらしく、若干ビックリした様子で答えた。
「…あぁ、そうだったね。」
「悩み事?」
「宮下、゛ミカミ゛っつ知ってる?」
「゛ミカミ゛?」
゛ミカミ゛とは友人c曰く人名だそうだ。
宮下は「そりゃそうだろう」と突っ込みそうになったが空気をよんだ。
二人が合流し、かなりたった。
不意に沈黙がふえる。静かな公園で心地よい風とぽかぽかと陽気な日差し。唯一気になるのは子供の騒ぎ声だけ。宮下の頭の中に「移住」の文字が点滅する。
このままいたら確実に寝ていた宮下のマイペースな思考を遮ったのは以上としか取り様が無い子供の悲鳴だった。その悲鳴とほぼ同時に隠れる様にして走り去る影。一気に宮下の眠気が覚める。
友人cを叩き起こし、「子供の方行っといて!!」
と言い捨てて宮下は走り去った影を追って行った。
取り残された友人cは渋々子供の方へむかった。
子供達がいた所は草が生い茂っていてよく見渡す事が出来ない。
よく目をこらしてやっと見つけた子供達はすでに息は無く、草木に血は飛び散り、子供達の物と思われる荷物は散乱し、なにより五人いた子供が全員原型をとどめてはいなかった。そして友人cは足元に刺さっていたナイフを拾いあげた。
その時例の影に見事にまかれて友人cの元に戻って来た。
友人cが小声で
「警察…」
と言った。
宮下はしばらく迷ったが、血のついた草木を見て大体状況を理解した。
十五分もしないうちにパトカーが到着した。宮下と友人cは即重要参考人となり、署へ連行された。
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