壱.京都

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「これは局長であった芹沢鴨を斬るときに、土方か沖田がつけたと言われている刀傷です」 一人のおじいさんが熱心に説明してくれている ここは八木邸 旧前川邸と壬生寺のすぐ近くにある新撰組ゆかりの場所である 「ではお話はここまでです。受付で抹茶とお菓子の組み合わせを購入していただいたお方は出てすぐの誠の旗が掛かっているお店におはいりください」 背の低い、おじいさん。彼はこの八木邸で新撰組の話を沢山の人にしてきたベテランのガイドさんである 優しい眼差しで、小さな子が今日あったことを母親に話す様なキラキラした目で新撰組の事を話してくれた 「蚊がよう飛びましたやろ」 「ぇ、あ、はい」 部屋から見える小さな庭を見つめていた夏季におじいさんが話しかける .
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