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某マンションの一室に、
死刑囚と、
スーツの男と、
写真の男性がいた。
いや、写真の男性は腹から血を流し、床に突っ伏しており、既に息絶えていた。
おめでとう。
君はこの男を殺すことで自由を手に入れた。
スーツの男が言った。
そしてスーツの男は鍵と紙切れを死刑囚に手渡した。
君の新しい家の住所とその鍵だ。しばらくここで身を潜めていなさい。
死刑囚に鍵を手渡し、スーツの男は出口へ向かった。
スーツの男は部屋から出ていき、入れ替わりで入ってきた男たちが死体の処理を行った。
驚いた。
血の跡は綺麗さっぱりと消え、血の臭いすらしない。本当に、ついさっきまでここで人が死んでいたなんて嘘のようだ。
男たちは処理が終わると部屋から出ていき、死刑囚だけが残された。
死刑囚、いや、元死刑囚の男は、自由を手に入れ、喜んだ。
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