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「や、あ……あぁぁぁっ!」
ひときわ高い声がしてお互いに果てたのだと知る。
二人の男の荒い吐息が聞こえる中零はどうやって声をかけようか迷っていた。
その前に高い声の少年が口を開く。
「先輩、そろそろ帰ったら?もうとっくに皆いないよ」
「夢海は?」
「俺はもうちょっと…腰痛いし」
「なら、俺も残るよ」
あわよくばもう一度抱けるだろう。
そう考えているような男の声に、苛立ちを含んだ声が返す。
「いい加減にしてよ。俺はあんたの恋人じゃないし。あんたが抱きたいっていったわけだし、お金ももらったから抱かれたの。誤解しないでくれる?」
校内で売春か。
二人の会話を聞きながら呑気にそんなことを思う。
男は慌てたように服を着れば零のいない、準備室へ直接入るための扉を開けて出て行った。
やがてため息とともに布がすれる音がした。
「覗きは悪趣味じゃない?先生」
自分にかけられたのだと理解するまでに数秒かかった。
ゆっくりと姿をみせたその生徒はワイシャツを羽織り、下半身には何もまとっていない。
すらりと伸びた両足は白く、ついさきほどの情事のせいか、うっすらと熱をまとっているように見えた。
零は目のやり場に困って少し顔を背ける。
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