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―――はぁ―――。
私は今日何度目か知れない溜め息をついた。
朝からずっと気分が乗らない。
・・・・・・まあ、クラスメイトのお葬式でハイテンションなのもどうかと思うけど。
クラスメイトのお葬式。
嫌な響きだ・・・・・・。
しかも自殺で、学校1の有名人のお葬式なのだから、私以外も変な顔になっている。
悲しいような、理解できないような、そんな顔・・・・・・。
―――はぁ―――。
あ・・・・・・。
また、溜め息だ。
・・・・・・なんだかなぁ。
気が滅入るというより、滅入りたい、という感じだ。
・・・・・・誰もが、ここにいる誰もが、きっと同じ気持ちだと思う。
どうして、自殺・・・・・・?
―――わからない・・・・・・。
自殺した私のクラスメイト、朝月春日はクラスの、いや、学校中の人気者だった。
とにかく何でもできる人だった。
テストではいつもトップクラス。
部活のテニスでは2年生にして、個人で全国3位。
日に焼けた肌も、彼女の魅力を引き立てる要素の1つ。
家庭科で、意外なほど慣れた手つきでテキパキと料理をしてみせたりしたこともある。
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