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他の人もそうなんだろうか?
それとも、こんなに考えているのは私だけ?
・・・・・・他人の考えていることは分からないから何とも言えない。
もしかしたら、あそこで欠伸をしている子供のほうが、私より彼女の死を悲しんでいるかもしれない。
・・・・・・どうでもいいか。
どうせ私は彼等の考えていることなんて理解できない。
可哀想とか―――、
悲しいとか―――、
寂しいとか―――。
どれも私には理解できない。
・・・・・・私は壊れている。
自殺をした彼女以上に・・・・・・。
「ただいま」
私は朝月春日の葬式の後、まっすぐに家へと帰った。
・・・・・・早く帰らないといけない理由がある。
私はリビングに入り、ソファーに座ってテレビを眺めている姉さんに声をかけた。
「ただいま帰りました」
姉さんはゆっくりと振り向く。
「遅かったわね?」
ねっとりと笑う。
「・・・・・・すみません・・・・・・」
本当はかなり急いだんだけど、言い訳なんかできない。
姉さんは立ち上がると私の正面に立つ。
姉さんは小柄だ。
私の顎の辺りまでしかない。
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